大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(ラ)986号 決定

前記一の経緯で、原裁判所は、再度の考案に基づき、本件仮処分申請の全部を却下した原決定を変更して右仮処分申請の一部を認容する旨の更正決定をしたので、抗告人(債権者)らの本件抗告は、右一部認容にかかる更正の限度で目的を達して当然に終了し、その余の申請却下部分に対する不服申立の範囲に減縮されたものと解すべきである。<中略>右申請却下部分は、抗告人らが本件冬季一時金(それは、抗告人らの主張によれば、各人の基本給の一か月分に相当し、本件請求金額と同額である。)の半額たる残金と右一時金全額に対する遅延損害金との仮払を求めるものであるところ、右一時金の残額は、更正決定による認容額と同額であるが、その最低額は金四六、〇〇〇円・最高額が金一三七、五五〇円・一人平均額は約金六八、〇六五円である。この数字の示す金額に、抗告人らが相手方の従業員として、毎月の賃金を受けて生活の資としていること(この事実は、当事者間に争いがない。)しかも、本件冬季一時金について、既に、前叙のごとく半額の仮払を命ずる更正決定がなされていることを考慮するならば、抗告人らにおいて、更に加えて右一時金の残額等につき仮払の仮処分を受けるためには、それがないと抗告人らの生活が直ちに窮乏に陥る等右仮払の必要性を基礎づけるに足る具体的な事情の疎明がなければならない、というべきである。しかるに、一件記録を検討しても、右の疎明がなされたものとは認め難い。

(鰍沢 沖野 佐藤)

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